梅雨の季節は、鮮やかなアジサイが美しい風景を作り出します。
そんな時期に、アジサイを挿し木で増やしてみませんか?
初心者でも簡単にできるこの方法は、成功率も高くおすすめです。
挿し木に最適なのは、湿度が高くじめじめとした梅雨の時期。
アジサイの挿し木に適した枝の選び方、使うべき土の種類、そして適切な管理方法を、わかりやすご紹介します。
挿し木って何?

挿し木は、植物を増やす方法の一つです。
植物の一部を切り取り、土や水に挿して新しい根を生やし増やす技術です。
挿した枝から新しい根が生え、新しい芽や葉が育つと、挿し木は成功と言えます。
しかし、枝や葉が枯れてしまった場合は、根が生えず失敗となります。
アジサイは根付きが良く、挿し木での増殖が比較的簡単。
特に手まり咲きやガクアジサイ、カシワバアジサイは7月の剪定が適期で、その時に得られる枝は挿し木に最適です。
湿度が高い梅雨の時期は、挿し木にとってもベストシーズンです。
剪定時にお気に入りのアジサイの枝を手に入れたり、剪定をする際にその枝を挿し木に使ってみるのも良いでしょう。
アジサイの挿し木方法

アジサイの挿し木を成功させるための、詳細な手順をご紹介します。
用意するもの
- 挿し穂:挿し木に使うアジサイの枝
- 挿し床:ビニールポット(3号サイズ推奨)、プラグトレイ(72穴程度)、またはプランター
- 土:バーミキュライト、鹿沼土、赤玉土など
- 土入れ用の道具(例:移植ごて)
- 剪定ばさみ
- 割りばし
- 発根促進剤(必須ではない)
挿し木用枝の選び方
挿し木用の枝に理想的なのは、花の下から2節目に芽のある枝です。
剪定で除去される細い枝や古い枝ではなく、元気な成長を見せる枝を選びましょう。
剪定時に花の2~3節下を切った枝は、花を咲かせる力があった証拠で、そういった枝からの発芽が期待できます。
切った枝は水に浸し、発根促進剤を加えると効果的です。
挿し木用の土の選び方
肥料を含まない清潔な用土が適しています。
発根するまでは肥料は不要です。
バーミキュライト、鹿沼土(小粒)、赤玉土(小粒)が使いやすいでしょう。
特に鹿沼土は、水分の量によって色が変わるので、水やりのタイミングが分かりやすくなります。
用土がポットの底からこぼれないように、水をかけて土を落ち着かせると良いです。
挿し木の手順
- 挿し床の準備:ビニールポットに土を入れ、水をかけて土の微塵を洗い流します。
- 挿し穂の準備:健康な枝を10-15cmの長さに切り、節が上側に来るようにします。下側は斜めに滑らかにカットします。花と下部の葉は取り除き、上部の葉は半分程度に切り詰めます。
- 水に浸す:挿し穂を水に浸して、十分に水分を吸わせます。
- 枝を挿す:発根促進剤を使う場合は、挿し穂の切断面に薄く塗ります。挿し床に割りばしで穴を開けてから、挿し穂を挿入し、土で固定します。ポットのサイズに応じて、複数の枝を挿すこともできます。
- 水やり:優しくたっぷりと水を与えます。根がないので、強い水圧は避け、霧吹きを使うのも良いでしょう。
アジサイ挿し木後のお手入れ方法

水やりは土が乾かないように、やさしく与えましょう。
霧吹きを使用するのも効果的です。
直射日光を避け、風雨から守られた半日陰が最適です。
挿し木から約1ヶ月で、根が生え始めることがあります。
挿し床の底から根が見える、または新しい葉や芽が育っていれば、成功の兆しです。
枝や葉が枯れてしまった場合は、残念ながら発根していない可能性が高いです。
根が確認できたら、他の苗木と同じように植え替えます。
アジサイの挿し木は、最初の2~3年間は鉢植えで育てるといいですよ。
注意点
発根するまでは肥料は不要です。
水は定期的に与え、土が乾燥しないように注意してください。
ただし、根がまだないため、水の与え過ぎは腐敗を招く原因となります。
霧吹きで軽く湿らせるのが適切です。
根が生えるまでは、挿し木を動かしたり、引き抜いたりしないでください。
枝を抜いて確認することが、失敗の最も一般的な原因です。
初心者でもできるアジサイの簡単挿し木増殖法まとめ

アジサイは、さまざまな形や大きさの花を持ち、栽培も比較的簡単です。
お気に入りのアジサイを増やすには、挿し木がおすすめです。
挿し木は、湿度が高い梅雨の時期が最適です。
手まり咲き、ガクアジサイ、カシワバアジサイなどは、7月の花後が剪定に適した時期。
剪定のタイミングで、挿し木に利用する枝を選んでくださいね。